家具を買うお客様がサイズについて知りたいことは、じつは2つあります。そして多くの商品ページが答えているのは、そのうち1つだけです。1つめは「置きたい場所に収まるか」。窓と壁のあいだに入るか、横を人が通れる余裕が残るか。2つめは「そもそも家の中まで運び込めるか」で、玄関ドア、廊下、階段の曲がり角、マンションならエレベーターも通ります。「幅×奥行き×高さ」の1行では、どちらにも答えきれません。
お客様は、ちゃんと数字を探しています。Baymard Institute が2026年に米国のオンライン購入者1,598人を対象に行った調査では、家具が自分の空間に収まると確信するのに欠かせない情報として、49%が文字の寸法を、42%が寸法の図を挙げました。レビュー写真と部屋に置いた写真は、どちらも38%です。載せること自体は、迷うところではありません。考えどころは、どの寸法を、どう見せるかです。
家具の寸法は、商品ページに何を載せればいいか
まずは全体の幅・奥行き・高さ。これは最低限で、ゴールではありません。ソファは輪郭を眺めるためではなく、座るために買うものです。買うかどうかを決めるのは、もっと細かい数字だったりします。
- ソファ・椅子:座面の高さと奥行き。アームがデザインの主役なら、アームの高さも。
- テーブル・デスク:天板の高さと、幕板の下の空き。膝や椅子の肘掛けが下に入るかどうかは、ここで決まります。
- ベッド:フレームだけでなく、マットレスを載せたときの高さ。対応するマットレスのサイズも。
- 収納家具:扉や引き出しを開けきったときの奥行き。向かいのベッドにぶつかるのは、たいていこの寸法です。
そのうえで、数字を図に載せます。Baymard のユーザーテストでは、文字だけの寸法に戸惑う人が目立ちました。「apron to floor(幕板から床まで)」が何のことかわからない人もいれば、L字ソファのどこがどの数字なのか対応づけられない人もいます。Baymard が勧めているのは、それぞれの寸法が商品のどこを測ったものかを図で示す「寸法画像」を、文字の寸法のすぐそばに置くこと。スマートフォンで拡大しなくても読める大きさで、です。
もう1枚あると効くのが、大きさの見当がつく写真です。部屋に置いた写真や、誰でも大きさを知っているものと並べた写真ですね。少し古い Baymard の調査ですが、42%のユーザーが商品画像から全体の大きさを判断しようとしていた一方で、調べた大手 EC サイト60社のうち28%には、そうした写真が1枚もありませんでした。白背景のきれいな写真は、ソファが青いことを教えてくれます。窓台より背が高いかどうかは、教えてくれません。
玄関を通るかは、部屋を測ってもわからない
Consumer Reports は家具を買う人に、搬入のときに通る玄関、ドア、廊下、階段、エレベーターをすべて測るよう勧めています。もっともな助言です。ただ、お客様がメジャーの数字を比べられる相手は、商品ページに載っている数字しかありません。しかもここで効いてくるのは、部屋の寸法のリストには出てこない数字です。
箱で届くものは、梱包サイズ
段ボールで届くなら、ドアを通るのは段ボールのほうです。箱ごとの幅・奥行き・高さと重さを、複数口なら1箱ずつ載せましょう。米国の D2C 家具ブランド Sixpenny は、すべての商品ページに梱包サイズを載せ、お客様には通り道に1〜2インチ(2.5〜5cm ほど)の余裕を見るよう案内しています。
組み立て済みで届くものは、対角の奥行き
横向きのままでは通らないソファも、立てて斜めにすれば通ることがあります。Pottery Barn の採寸ガイドは、立てた状態で運び込めるかを判断するのに「diagonal depth(対角の奥行き)」という寸法を使っています。そして、まだ手元にないソファの対角の奥行きを、お客様は測れません。商品ページに書いていなければ、お客様がその数字を知る方法はどこにもないのです。
脚が外せるかどうか、外したときの高さも書いておきましょう。最後の数センチを決めるのが、そこだったりします。
何を測ればいいかを、数行で案内する
商品ページから、搬入経路の測り方をまとめた短い案内へリンクしておきます。ドアをいっぱいに開けたときのいちばん狭いところ、廊下、階段の幅と狭い踊り場、エレベーターの扉とかごの中。Pottery Barn のガイドは、低い位置にある照明器具にも触れています。ぶつかるまで、誰も思い出さないものです。
ここに手間をかける価値があるのは、入らなかったときの負担が、まずお客様にかかるからです。Consumer Reports が2020年に調べた米国の小売店では、返品の手数料はおおむね10〜20%で、商品が破損していない限り配送料は返金されないことが多い、とされています。一度それを払った人は、どこで買ったかをたぶん覚えています。
数字は説明文ではなく、専用の項目に入れる
説明文に打ち込んだ寸法は、少しずつずれていきます。3人掛けは直したのに2人掛けは古いまま、あるページは cm で次のページはインチ、といった具合です。Shopify のヘルプセンターは、メタフィールドの例としてまさにこのケースを挙げています。「Dimensions」という商品メタフィールドを作り、幅・高さ・奥行きをテーマの専用セクションに表示する、という例です。
項目に分けておくと、抜けも見えるようになります。30商品で「梱包サイズ」の欄が空いていれば、それはそのままやることリストです。同じ抜けが30本の説明文の中に埋もれていると、お客様に聞かれるまで気づけません(この考え方は商品情報チェックリストでもくわしく書きました)。2人掛けと3人掛けのようにバリエーションで寸法が変わるなら、1行でまとめず、バリエーションごとに数字を持たせてください。
最初に直す商品
全商品を一度にやる必要はありません。入らなかったことが起きやすく、起きたときに元に戻すのが高くつくところから始めます。
- ソファ・コーナーソファ・一人掛けチェア:大きく、組み立て済みで届くことが多く、対角の奥行きが効きます。
- ベッド・ワードローブ・背の高い本棚:長いもの、高いものほど、階段の曲がり角や低い天井に引っかかります。
- すでに問い合わせが来ている商品:「幅75cm のドアを通りますか」とサポートが毎回答えているなら、その答えは商品ページに置くべきです。
- 返品理由にサイズが出てくる商品:どのページが答えられていないかは、自分の店の返品データがもう知っています。
1商品あたりの確認項目は、多くありません。全体の寸法(海外にも売るならインチも併記)、使うときの寸法、各寸法を示した図、大きさの見当がつく写真1枚、すべての箱の寸法と重さ、当てはまるなら対角の奥行きと脚の着脱、そして測り方の案内へのリンク。私たちとしては、6つ目に手をつける前に5商品を完全に仕上げるほうをおすすめします。200ページに半分だけ埋まったテンプレートは、完成して見えるだけです。
この「入るかな」に答えるために作ったのが、Shopify App Store で公開中の Mitasu for Home です。家具タイプ別の寸法シートに、部位ごとの数字が載った寸法図と cm/インチの切り替えを付けました。搬入チェックでは、梱包サイズと、お客様が測った経路のいちばん狭い幅を突き合わせます。計算はブラウザの中だけで、あくまで参考値であることもはっきり表示します。とはいえ、どう作るにしても確かめることは同じです。お客様が支払いの前に、2つの質問の両方に答えを出せるかどうか。
よくある質問
家具の商品ページには、どの寸法を載せればいいですか?
全体の幅・奥行き・高さに加えて、使い方を左右する寸法を載せます。ソファや椅子なら座面の高さと奥行き、テーブルなら高さと天板の下の空き、ベッドならマットレスを載せたときの高さ、収納家具なら扉や引き出しを開けたときの奥行きです。数字は、どこを測ったかがわかる図と一緒に置いてください。
梱包サイズも載せたほうがいいですか?
箱で届く商品なら、載せてください。ドアを通るのは箱のほうなので、幅・奥行き・高さと重さを、複数口なら1箱ずつ書きます。
対角の奥行き(diagonal depth)とは何ですか? なぜ店側が載せるのですか?
ソファや一人掛けチェアを立てて斜めにしたとき、ドアを通れるかを判断するための寸法で、海外の家具小売店が公開しています。まだ手元にないソファをお客様は測れないので、店側が載せるしかありません。
Shopify では、家具の寸法をどこに入れるのがいいですか?
商品説明ではなく、専用の項目(メタフィールド)に入れます。Shopify のヘルプセンターも、Dimensions という商品メタフィールドをテーマの専用セクションに表示する例を挙げています。バリエーションごとの数字がそろい、空欄にも気づきやすくなります。
出典: Baymard Institute — Furniture & Home Decor Quantitative UX Insights 2026; Baymard Institute — Furniture UX: Always Provide a "Dimensions" Image; Baymard Institute — Provide at Least One "In Scale" Image; Consumer Reports — How to Make Furniture Delivery and Returns as Hassle-Free as Possible(2020年); Sixpenny — How to Measure for Furniture Delivery; Pottery Barn — How to Measure for Furniture; Shopify ヘルプセンター — メタフィールド。




