衣類が返品される最大の理由は、サイズとフィットです。近年の各種調査では、アパレル返品の約50〜53%がサイズ・フィット起因とされ、6,000人を対象にした2025年の調査(Channelwill)では61%が「サイズが合わず返品した」と回答しています。アパレルの返品率は注文の20〜40%にのぼり、返品1件あたりの処理コストは推定10〜30ドル。サイズ表は、商品ページの中でもっとも投資効果の高い要素のひとつです。
多くの場合、問題は「サイズ表がない」ことではありません。お客様がサイズを選ぶまさにその瞬間の疑問に、その表が答えていないことです。数字の羅列を、行動できる案内役に変えるための整え方を紹介します。
サイズ表記だけでは足りない理由
S・M・Lや数字サイズは、ブランドごとに同じ意味ではありません。Ergonodeは、同じ表記のサイズでもブランド間で5〜10cm異なることがあると指摘します。よそで合ったサイズを頼りに注文すると、実質は「あてずっぽう」。この不確かさが、複数サイズをまとめ買いして合わないものを返す「ブラケッティング」の温床です。Narvarの推計では、ブラケッティングはファッション返品の約40%を占め、いまやオンライン購入者のおよそ半数が行っています。
採寸値は、この表記に基準点を与えます。「たぶんMサイズ」が「この寸法ならM」に変わり、賭けが判断になります。
体型寸法と実寸を、両方載せる
体型寸法は、そのサイズが合うことを想定した体の寸法です。トップスならバスト・ウエスト・ヒップ、ボトムスならウエスト・ヒップ・股下が基本。自分の体とサイズを結びつける目安で、初めて買うお客様にとくに役立ちます。
実寸は、服そのものを平置きで測った仕上がり寸法です。トップスなら身幅・着丈・肩幅・袖丈、ボトムスならウエスト幅・股上・わたり・股下。シルエットとゆとりが分かるので、オーバーサイズやテーラード、デニムなど落ち感が重要なアイテムでは欠かせません。
Shopify公式のサイズガイド作成ガイドも、両方の掲載を推奨しています。答える問いが違うからです。並べて見せれば、お客様はどちらか一方を諦める必要がありません。
採寸方法は、短く・視覚的に
正確な数字も、測る場所がバラバラでは比べられません。長い技術的な説明より、短い手がかりが有効です。
- バスト:もっとも高い位置を、メジャーを水平に
- ウエスト:おへその上、自然にくびれる位置
- ヒップ:お尻のもっとも高い位置まわり
- 股下:股の縫い目から内側を通って足首まで
サイズの境目でどうするかも伝えましょう。「サイズで迷ったら、ゆったりなら上、すっきりなら下のサイズへ」の一文で、迷いが確信に変わります。
国際サイズ換算は、同じ行に
海外に販売するなら、US・UK・EU・日本のサイズを、採寸値の隣に同じ行で並べます。US 8/UK 12/EU 40/JP 11 のように対応させる例が一般的ですが、フィットはブランドごとに違うため、基準はあくまで採寸値です。異なる国のサイズ体系を使う二人でも、同じ「バスト91〜94cm」なら共通の基準として信頼できます。
cmとインチを併記する
US圏のお客様はインチ、その他の多くの市場はcmで考えます。両方を載せれば換算の一手間がなくなり、電卓ではなく商品に意識が向きます。小さな配慮ですが、海外のお客様の迷いを目に見えて減らします。
疑問が生まれる場所に、ガイドを置く
サイズガイドの最適な場所は、お客様が立ち止まって決めるサイズ選択肢のすぐ隣です。Baymard Instituteの商品ページ調査では、多くのストアがこの点でまだ不十分で、主要ECサイトのうち「良い/許容できる」商品ページUXは約18%にとどまります。その場で開く「サイズガイド」リンクなら、ページをすっきり保ちながら、答えをワンタップの距離に置けます。ページ末尾に埋もれた詳細表は、そこまでスクロールしないお客様を助けられません。
商品ごとのフィット注記を添える
共通の表では、すべての裁断や生地を説明しきれません。商品単位の短い注記が、その隙間を埋めます。
- 「身頃はスリム。ゆとりが欲しい方はワンサイズ上げても」
- 「ウエストゴム。Mはウエスト68〜76cm想定」
- 「生地は伸縮あり。寸法は伸ばさない状態で計測」
これらは、「ちょうどいい」だけでは答えられない疑問に、いま見ているその商品について答えます。
返品理由を、無料のフィードバックとして使う
「小さい」「大きい」はコストであると同時に、データでもあります。あるサイズが繰り返し「小さい」で返ってくるなら、まずその実寸とフィット注記を見直しましょう。Measmerizeの報告では、正確な実寸データに基づく案内を使うストアで、サイズ関連の返品が最大40%減少しています。サイズ表は一度公開して終わりの文書ではなく、商品とお客様のフィットを学びながら、シーズンごとに精度を上げていくものです。
Mitasu for Apparel は、商品ごとのサイズ表・実寸・フィット注記を、テンプレートで一括管理しつつ商品単位で上書きしながら、テーマファイルを編集せずにShopifyの商品ページへ追加できます。
出典: PRIME AI — Clothing Return Rates by Category and Country; Channelwill — Ecommerce Return Rates 2025; Ergonode — 7 Bad Practices for Size Charts; Landmark Global — Wardrobing & Bracketing; Shopify — How to Create a Sizing Guide; Baymard Institute — Product Page UX Research; Measmerize — Solving Sizing; Selvane — The Hidden Cost of Fashion Returns.